2010年06月06日

告白

正直、そこまで特別期待して観に行ったわけではなかったんですけど、まあ時間も空いてるし普段映画の趣味のあわない彼女とも珍しくお互いに観てみたいっていう意見になったのでいっただけだったんですが、
観た後は、いち早くいい映画を観る事ができて出来て楽しい気分で帰ってきました。
いや、全然楽しい内容じゃないんですけど、でもこの映画はイイ映画ですハイ。

昨日土曜日から封切がはじまったばかりの「告白」。公式サイトはコチラ

一人で育てていた愛娘がプールで溺死していたのは実は何者かによる殺人事件で、犯人は自分の教え子の中にいる。
それを教室で教師(=松たかこ)が語るシーンから映画は幕を開けます。
「犯人は誰だ」なんていう物語ではなく、冒頭に語っている中であっさりその二人の少年は特定されて、そこから始まっていく色々な「告白」

非常にジメジメして重苦しい内容です。
感想を詳しく書くとネタバレしちゃうので、ここからは個人的な解釈のお話で。
一つの事件の関係者がそれぞれ語っていく独白が非常に面白い。
自分が「悪い」と思ってる人間はいないんですよね。犯人を恨み「復讐の種を蒔く」子を失った母親も、その子を殺した犯人も、その先生の後任で楽しいクラスにしようとする絵に書いたような熱血教師も、それを取り囲む人達も
倫理観や法律とは違う個人個人の「正しさ」で行動していて、どこにも悪人はいない(あくまで本人の告白で、自分は悪だと思っている人間はいない)
それぞれの正しさが交差する所でクライマックス

もう一つ面白いのが元教師の「復讐」
復讐と言うと、いかに肉体的に痛い目にあわせるだとかそういう方向性を考えてしまうものですが、この映画での復讐は、その後の犯人の行動を調べ知り続け、そして「お前の語る正しさなんてすごく幼稚で浅ましくて格好よく取り繕った情けない行為なんだよ」と容赦なく知らしめ苦しめ・・・

そして最後の終わり方。悲惨な事件の後に遺された人もその加害者も、
加害者が「はい反省しました罰を受けました。これで終わりです」
そんな簡単に終わるわけがない。終わっていいわけがない。
そういう意味あいのラストなんじゃなかったのかなと思います。

あまりデートムービーにはオススメできません。でも面白いよ。
日本の映画って、こういうジメジメした雰囲気の映画の方が面白い気がします。
下手にアクション大作風の映画を作っても、妙に安っぽい(特に酷いCG)といいましょうか・・・
感染列島とかローレライとかアマルフィとか、ぼくしらないよ!!

アマルフィは真保裕一の無駄遣いで真保さん可哀想とか、ぜんぜんおもってないよ!別にテレビ局に恨みはないよ!!

告白の映画の出来が余りに気に入ってしまったので、原作が読みたいと思ってガーデンパークで購入しちゃいました。
ついでに前から読みたかった「蝉しぐれ」も一緒に購入。
ちょっと英語に疲れたのでのんびりまったり二冊読んでから、しどにーしぇるだんに戻ります。


映画単体のみならず、観た人どうしであれこれ意見を言い合って話しあうのが楽しい種類の映画かもしれないですね。僕的には「決着なんて付かないのが決着」って話だったんじゃないかと思います。


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Posted by takayaso at 22:38 │映画
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